- 和議法の和議手続に代わる新たな再建型の倒産手続(和議法は廃止)。
- 原則として、債務者が業務遂行および財産の管理処分権を有しつつ再生計画案を作成し、債権者の法定多数の同意により可決された再生計画を履行し、事業または経済生活の維持再生を図る。
- 個人、法人を問わず広い範囲の事業者が利用できる汎用性のある手続である。
基本的には和議法の改正として和議法を下敷きにしている。 管理型法制の会社更生法・破産法と後見型法制の和議法のそれぞれの長所を組み合わせて構成し使い勝手をよくした点がめだつ。
すべての法人および個人。当然、株式会社以外の法人、学校法人、医療法人等も適用の対象に入る。
- 手続開始後も業務を遂行しまたは財産を管理しもしくは処分する権利を有する(債務者に業務遂行権が残る)(38条1項)。
- 債権者に対し、公正かつ誠実に権利を行使し手続を遂行する業務を負う(38条2項)。
- 不適切な場合は、管理命令により管財人の管理に服する(38条3項)。
- 申立てのできるもの
債務者本人または債権者
IIの(ロ)のみを開始原因として申立てをすることができる。- 開始原因
(イ)事業の継続に著しい支障をきたすことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき、(ロ) または破産の原因である事実が生ずるおそれがあるとき(21条)。
- 管轄する地方裁判所
営業者であるときはその主たる営業所の所在地(外国に主たる営業の所在地がある場合は日本における主たる営業の所在地)。
営業者でないときまたは営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地(5条)。- 親子関係にある会社同士、法人とその代表者それぞれのそのいずれかが再生手続を申立てたときの、もう一方が手続を申立てる場合、同一の裁判所に申立てることができる(5条)。
- 債務者の業務および財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる(30条)。
- 担保権の実行としての競売の手続の中止を命ずることができる。担保される債権が共益債権または一般優先債権であるときはこのかぎりではない(31条)。
- 保全処分がなされた後は、申立人は、裁判所の許可がなければ、手続開始の申立てを取り下げることができない。保全処分の乱用の防止をする趣旨である(32条)。
- 裁判所は、手続開始の申立てがあった場合において、必要と認めるときは、破産・整理または特別精算手続、すでになされている強制執行、仮差押え、仮処分、訴訟手続等について他の手続の中止命令を発令することができる(26条1項)。
- それに加えて、26条1項の中止命令によっては再生手続の目的を十分達せられないおそれがあると認められる特別の事情があるときは、すべての再生債権者に対して包括的禁止命令を出すことができる(27条)。ただ、この命令は仮差押え、仮処分、監督命令、保全管理命令等の処分がなされている場合にかぎる(27条)。
- この命令は、26条1項の処分と一体として発せられるものである点に注意。
手続開始決定前の原因に基づく財産上の請求権(再生債権)については、手続開始後は再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為をすることができない(84、85条)。
- 担保権者は別除権を有する(53条1項)から競売の申立てができる(53条2項)。
- 別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分にかぎって、再生手続に参加できる(88、160条)。
- 裁判所は債権者の一般の利益に適合し、かつ担保権者に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認められるときは、利害関係人の申立てにより、相当の期間を定めて別除権の実行としての競売手続の中止を命ずることができる(31条)。
共益債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。共益債権は、再生債権に先立って弁済する(121条)。
税金は、再生手続によらず随時納付しなければならず、納付方法について任意に当局と話し合い、滞納処分を避けるようにする。 一般の先取特権その他の優先権のある債権(共益債権であるものを除く)は、一般優先債権とし、再生手続によらないで、随時弁済する(122条)。租税債権(国税徴収法、地方税法14条、14条の2で優先権が認められている)、労働債権等の一般の優先債権は再生手続によらないで弁済を受けられる(122条、154条)。
- 裁判所は手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、監督委員による監督を命じる処分をすることができる。(54条1項)。
- 一人または数人の監督委員を選任し、その同意を得なければ債務者がすることができない行為を裁判所が指定しなければならない(54条2項)。
- 監督委員は特定の行為について否認権を行使する権限を付与される(56条)。
- 裁判所は、手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、一人または数名の調査委員を選任する。
- 調査委員は、債務者の業務および財産状況等を調査する権限を有する機関で、裁判所は、調査命令で、調査すべき事項、調査結果を報告すべき期間を定めなければならない(62条)。
- おおむね監督委員の規定が準用される。
- 裁判所は、債務者の財産の管理または処分が失当であるとき、その他事業の再生のために特に必要と認めるときは、開始決定と同時または決定後、管財人による管理を命ずる。一人または数人の管財人を選任することができる(64条)。
- 債務者業務遂行ならびに財産の管理および処分をする権利は管財人に専属する(66条)。
- 債権者集会は、債務者もしくは債権者委員会の申立てによりまたは十分の一以上に当たる債権を有する債権者の申立てにより、または職権で裁判所が任意に招集する。一定額以上の再生債権者の申立てがあったときも、同様とする(114条)。
- 債権者集会は、裁判所が指揮する(116条)。
- 再生計画案の提出があったときは、その再生計画案について決議をするための債権者集会を招集する(171条)。
- 裁判所は、再生債権者を持って構成する委員会がある場合には、当該委員会が再生法の定めるところにより、一定の要件のすべてを具備する場合にかぎり、再生手続に関与することを承認することができる。(再生法にいう債権者委員会として承認される。)
- 裁判所は、債権者委員会に対し意見陳述を求めることができ、債権者委員会は裁判所や債務者あるいは監督委員に意見を述べることができる(118条)。
裁判所は、再生債務者等もしくは利害関係人の申立てによりまたは職権で、法人である再生債務者の理事等の役員の責任に基づく損害賠償請求権につき、役員の財産に対する保全処分をすることができる(142条)。
- 裁判所は、再生債務者等もしくは利害関係人の申立てによりまたは職権で、法人である再生債務者の理事等の役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(理由を付した決定で行なう)をすることができる(143条)。
- 法人役員等に対する簡易迅速な責任追及の方法として、裁判所が役員に対する損害賠償請求権の存否およびその額を査定し、損害賠償請求権があれば支払を命ずる裁判手続を規定する。
- 否認権の制度を認める(127条)。
- 否認権は、手続開始後、債務者財産のために、再生債務者が再生債権者を害することを知ってした行為を否認することのできる権利で、否認権の対象となる行為は127条以下に詳しく規定する。
- 否認権の行使は、裁判所から特定の行為につき否認権限を付与された監督委員または管財人がこれを行う(56条)。
- 手続が開始された場合において、再生債務者は債務者の財産の上に担保権が損する場合において、当該財産が債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、当該財産の客観的な価額に相当する金銭を裁判所に納付することにより、担保権を消滅させることについての許可を、書面で申立てることができる(148条〜153条)。
- 当該財産を債務者に保持させることを可能とし、債務者の再生を図る制度である。
手続が開始された場合においては、
- 裁判所の許可を得て、営業の全部または重要な一部を譲渡することができる。この場合、裁判所は許可にあたり、債権者委員会、労働組合等から意見を聴取する(42条)。
- 債務超過の状態にある会社の営業譲渡については、株主総会の特別決議に代わる裁判所の許可を得て行うことができる(43条)。
- 再生債務者等は、債権届出期間満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成し、裁判所に提出しなければならない(163条)。再生債務者(管財人が選出されている場合にかぎる)または届出再生債権者も作成して提出することができる(163条2項)。
- 一般調査期間が終了し、財務状況報告集会における再生債務者等における報告、125条1項の報告書の提出の後でなければ再生計画案を決議に付すことはできない(169条)。
- 再生計画を可決するには、債権者集会における決議または書面による決議によって債権者の法定多数(171、172条)の賛成が必要で、可決されれば、裁判所は認可の要否を審査して再生計画認可の決定をする。認可決定の確定により再生計画は効力を生ずる(176条)。
- 法定多数とは、再生債権者で出席(書面回答)したものの過半数であって、議決権者の議決権の総額の二分の一以上の議決権を有するものの賛成をいう。
- 計画の認可決定が確定したときは、再生債務者等は、すみやかに、再生計画を遂行しなければならない(186条)。
- 監督委員が選任されている場合には三年間は手続が存続し、監督委員が遂行状況を監督する。
- 裁判所は、計画遂行のために必要と認めるときは担保提供を命ずることができる。
- 管財人、監督委員が選任されている場合を除き手続は終結する(188条)。
わが国で再生手続が開始された場合、外国にも手続の効力が及び、外国にある財産についても手続の対象となり、再生債務者等の管理処分権が及ぶことになる。
- 再生債務者等は、再生債務者についての外国倒産処分手続がある場合、外国管財人との間で、再生のための必要な協力と情報の提供を相互に行うようにする(196条)。
- 外国管財人は、再生債務者について手続開始の申立てをし、債権者集会に出席し、再生計画案を作成して裁判所に提出等ができる(198条)。
- 外国管財人は、届出をしていない再生債権者で、再生債務者についての外国倒産処理に参加しているものを代理して、再生債務者の再生手続に参加することができる(199条)。
- 再生債務者等は、届出再生債権者であって、再生債務者についての外国倒産処理手続に参加していないものを代理して、当該外国倒産処理手続に参加することができる。その場合、代理する届出再生債権者のために、特定の授権を必要とする場合を除き、外国倒産処理手続に属する一切の行為をすることができる(199条)。
この手続は、再生債権の調査および確定手続を経ないで、債権者集会において再生計画案を決議する手続。調査・確定の手続を経ていないので、債権は確定判決と同一の効力を有しない。同意再生についても同様である(180条1項参照)。
- 裁判所は、債権届出期間経過後、一般調査期間の開始前において再生債務者等の申立てにより簡易再生の決定をする。
- この申立ては届出債権者の総債権額の五分の三以上を有する債権者が、債務者の作成した計画案に同意し、かつ、再生債権の調査・確定手続を経ないことに同意している場合にかぎり、することができる。
- 簡易再生の決定(200条)と同時に、計画案の決議のための債権者集会を招集しなければならない(201条2項)。
この手続は、I再生債権の調査および確定手続を経ずに、さらにII債権者集会において再生計画案の決議を経ない手続である。
- 裁判所は、債権届出期間経過後、一般調査期間の開始前において再生債務者等の申立てにより同意再生の決定をする(206条)。
- この申立てはすべての届出債権者が、書面により債務者の提出した計画案に同意し、かつ、再生債権の調査および確定手続を経ないことに同意している場合にかぎり、することができる。










